ぶいふぇべうふ

昔プレイしたゲームだったりの感想をかいてます。

ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めてをプレイした感想

よかった点

■BGM
 ストリングスによるBGMが迫力あり情緒ありで世界を彩ります。
 NES時代の音楽がPS4で通用するというのもすごいことだと思います。

■テンポの良さ
 町から町へと冒険していく過程で一つずつの町の滞在時間とイベント量がちょうどよく配置されていて、どんなプレイスタイルでもキリよく進めていけます。ゲームスタート時に「これまでのあらすじ」としてストーリーの現在地、次の目標が毎回おさらいされるのも、プレイ期間が開いた時には地味にありがたい気づかいです。

■ボイス無しという可能性
 このイベントボリュームを仮にフルボイスで搭載したらおそらくこの定価では売れなくなってしまうのではないでしょうか。ボイスがないからこそ実現できたシナリオボリュームだと思います。さらに本作が優れているのは、単にコストダウンでボイスを抜いた妥協の産物にはなっておらず、ボイスがあったら実現できない世界観という領域まで切り拓いていることです。
 例えば、ひらがな表記を巧みに使い、そのキャリアの長さを武器にしたノスタルジーに訴える手法や、声に出すと違和感が拭えないメタ発言や説明セリフ、ギャグなどもボイスレスだからこそといえると思います。

■本作に対する「愛」
 町の何でもない民家の本棚を調べると世界の豆知識やレシピ本が見つかったり、片隅の突き当りのツボを割るとアイテムが入っていたりと、本当に世界の細部までクリエイターの手が入っています。こういう部分は、制作サイドがこの作品を大切に思っていないとできないことだと思います。プレイヤーに対して、「楽しんでほしい!」という熱意が作品から非常に強く伝わってきました。

■シナリオ
 次々とめまぐるしく展開する物語を鳥山明氏による独特な絵柄と軽快なタッチのストーリーテリングで描いていきます。グイグイとプレイヤーを世界に引き込んでいくシリーズのお家芸は健在で、あくまで王道ジュブナイルながら時折感動的であったりシリアスな展開を織り交ぜていて、最後までフレッシュなモチベーションでプレイできます。
 お色気や声優に頼らず物語でプレイヤーを引き込める作品は、今となっては本シリーズしかないのではないでしょうか。

■ファンサービス
 終盤使える勇者のスキルの構えが、完全に某ストラッシュだったり、メドローアが撃てたり、昔ながらのファンが思わずくすっとしてしまうようなサービスが良かったです。
 ゲームシステムとしても、種狩りでステータスをマックスまで育成できたりするあたりは、SFC時代のRPGを彷彿とさせて、中々に昔ながらのRPGを踏襲した一面もある作品です。

残念だった点

■クエス
 最近のRPGにはただ面倒くさいだけの作業を数十個も入れなければならない決まりでもあるのでしょうか。本作も、クエスト一つずつに軽いショートストーリーを入れるなどの工夫は感じられるものの、結局のところ「〇〇へいって〇〇を〇〇というスキルで倒せ」みたいな作業がズラリと並びます。
 「れんけい」を指定されてしまうと、該当キャラがゾーンに入るまで無意味な戦闘を繰り返さなくてはならず、タイミングが悪いと数十回の戦闘が必要だったりするので、結果的にゲームバランスが崩壊するほどにレベルが上がってしまうこともしばしばです。
 また、最悪なのは「カジノでジャックポットを当てろ」というものです。運次第で数十時間これでハマってしまうこともあります。カジノは確かに力が入っていますが、あくまでミニゲームなのにやや主張しすぎていると思いました。

会心必中
 このスキルはちょっと強すぎました。これのせいでメタル系を倒すことの敷居がガクンと落ちているため、メタル系との戦闘が「ボーナス」ではなく「基本的義務」となってしまった印象です。レベル上げがほぼこれ前提なのでメンバーも固定化されてしまい、爪や両手剣スキルの「高会心率」、斧の「魔神斬り」あたりのメリットも死にました。端的に、バランスを壊したスキルだと思います。

■ローディング
 かなり長いです。せっかくルーラの消費MPを0にして、使用制限もかなり取っ払ってファストトラベルを実現しているのに、ルーラのたびに10秒程度のローディング、町への出入りで10秒程度のローディングでは台無しです。

■状態異常のバリエーション
 ラリホー、おたけび、混乱、魅了、誘う踊り、麻痺などいくつも状態異常がありますが、結局効果は全て行動不能というだけで芸がありません。
 こちらが使う側にたって考えても、一撃で行動不能にしてしまう問答無用の効果のみでは、効果的に使えるようにすると強すぎてゲームバランスが取れません。したがって、ほとんどのボス、あるいは雑魚敵でさえも、状態異常攻撃は絶望的な成功率しか有さず、「戦略」において何の役にも立っていませんでした。

まとめ

個人的にはシリーズ最高傑作だと思います。
やり込み、ストーリー、BGM、インターフェース、イベント等さまざまな要素が全て高水準で作り込まれていて、欠点は絞りだしても上にあげた数点しかありません。
ぜひまたこんなRPGが遊びたいものです。