ぶいふぇべうふ

昔プレイしたゲームだったりの感想をかいてます。

ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団をプレイした感想

よかった点

PC98のwizardryやBard's Taleから、五つの試練やダントラ2、剣の街の異邦人までDRPGを遊んできて、この度パッケージ版を購入しました

しかし、個人的な好みからチームムラマサのDRPGは性に合わず、ダントラ2も装備アイテム面で大きな不満がありました
それでもいつかまた昔のように心が躍る様なDRPGに出会いたくて長年色々と触手を伸ばしてきましたが、ルフランの地下迷宮と魔女の旅団(以下、ルフラン)は個人的には大ヒットでした

以下にその理由を書いてみますが、「壁破り」や「カヴンシステム」等の一際目立った部分に関しては、他の方にお任せしたいと思います

①『ダンジョンの構成が手抜きではない』
ルフランは無意味に広大な部屋割りや、やたらと幅を取ってマスを稼いでいるだけの通路等がほぼない
これは言ってみれば「ある程度ダンジョン構成を考えて作っている」ということです
DRPGならそんなことは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、最近のDRPGには意味もなく4×4以上のサイズの部屋をいくつも置いていたり、1マスで十分な通路を横2~3マスで構成するといった水増しマップがいくつも見受けられます

上記のような明らかなマップへの水増しは、そのままメーカーへの不信感へと直結します
ダンジョンゲーでマップをちゃんと作る気がないなら止めてしまえば良いのです
「どのようなマップが待ち構えているのか」…そこにはプレイヤーとメーカーの火花が散る戦いがあるのではないでしょうか

また、「後々裏から鍵を外せばこのドアからショートカット出来ますよ…」的な仕掛けも最近は辟易していましたので、今回の壁破りシステムはGoodでした

②『戦闘ログの細かさ』
モンスターの特徴ごとに、戦闘ログ内の敵の行動描写が細かく変化しています
地味な部分と言われるかも知れませんが、想像力を搔き立てる要素としては非常に有用です
映像だけではなく文字によって強く感情移入するこの手のゲームでは、ここまでしてくれれば大満足と言えるでしょう
そして、地味な部分だからこそ、他のゲームでは使い回しが多く見られる部分でもあります

戦闘が大半を占めるこの手のゲームで、表現の使いまわしは少なければ少ないほど良いという事は言うまでもありません


③『レキテイと人形兵』
パーティーに指示を出すレキテイと、パーティーそのものである人形兵
これはダントラ2に似たシステムではありますが、ルフランはレキテイも人形兵もおしゃべりしないのが良かった
その代わりにストーリーの進行パートでは、ドロニア様以下の豊かなキャストが存分に会話して華を添えてくれています

プレイヤーの分身であるレキテイ
そして生死を共にする人形兵
この二者の関係に現実のプレイヤーの立ち入る隙は「妄想」しかありません
ステータスのフレーバーテキスト然り、一切無駄口を叩かないレキテイと人形兵然り、ルフランはその辺りが非常に理解された上でデザインされたゲームだと感じます

別に、「wizardryが良かった…」なんて古臭いことは言いません
あの頃とは何もかも違う時代なのですし、昔のシステムは今では死に絶えているものも多いですから
しかし、プレイヤーである自分も探索メンバーの一人でありたいと思う気持ちに変わりはありませんし、だからこそキャラクターの生死に一喜一憂出来るのです
プレイヤーを観客にしないことが、DRPGのキモではないかと感じます

④『二重のストーリーシステム』
ダンジョンの中と外で進んでいるストーリーが異なっています
ダンジョン外では主にメインストーリーが
ダンジョン内ではダンジョンごとに色々な問題が発生し、その対処にあたります
もちろん各々全くの無関係というわけではありませんが、常に一本の「軸」を追うことだけが全てではないという点が、とても新鮮でした
ちなみに、この二重のストーリーシステムは、世に言う「おつかいクエストシステムによる水増しや眼くらまし」とは別物です

他にも書きたいことはたくさんありますが、この辺にしておきます

残念だった点

もちろんもう少し改善して欲しい部分もあります

①『装備画面とステータス画面の見にくさ』
このゲームは装備画面とステータス画面を見る機会が非常に多いのですが、その切り替えに不便さが目立ちました
vitaの画面サイズ上どうしようもない部分ではあるのでしょうが、もう少しUIが成熟してくればさらに化けると思います
プレイ中に四六時中見る部分なだけに、ここはもう一踏ん張りをお願いしたいです

②『キャラソート』
職業ソートや各種ステータスソート、武器のS+ソートなど、様々なソートが出来ると非常に有り難いです

③『ダンジョン内で宝箱の鍵名を覚えていられない』
ダンジョン内には特殊な鍵が必要な宝箱が多くあり、また、対応する鍵を手に入れられるまでに時間がかかります
しかし、オートマップではどの鍵が必要かまでは記録できません
現実的に考えて紙に書けば良いのですが、外出時にプレイしているとき等、それが叶わない場面も多々あります
こういった部分を改善してもらえると助かります

④『モンスター図鑑』
ルフランにはモンスター図鑑はありません
緊迫感を考えれば不要な気もしますが、せめて、クリアしたダンジョンに限り解放される図鑑があれば嬉しいですね

⑤『複数の武具が比較できない』
ルフランにはコモンからレジェンダリーまで多くの武具が存在していますが、装備させてみないことには性能の比較が出来ません
FFやDQであればそれでも良いのでしょうが、これだけ数多くの武具が存在するゲームですので、武具の性能比較が出来る手段があれば良かったと思います

まとめ

色々と書きましたが、「最近ゲームがつまらない」「DRPGで自分に合うものって今の時代ではもう見つからないかもしれない」と悩んでいた自分を、とても楽しませてくれている良いゲームです

「斬新であることと無茶であることは違う」と、ハッキリと証明してくれている感がとても良いですね

個人的な考えですが、『さぁ、新米から古参まで、誰もやったことのないDRPGを持ってきぞ!』と、言われているようです

すでに完成された料理に無駄な蛇足という味付けをするしか延命のしようがないと思われていたDRPGにおいて、今の時代でここまで完成度の高い「新しい料理」を世に送り出したメーカーの皆様方に深く感謝します
次回作も大いに期待しています